彼がいなくちゃ始まらない。私が溺愛して止まない、タイトル背負った主人公。単純熱血型の典型キャラ(最近見ないね･･･)かと長年思っていたのだけど、近年になってコミックスを読み返してみたら、あれ？そうでもない。女性が関わらない部分では、結構さめているかも。昔読んだ頃の印象とはずいぶん違う。

　星矢はいつも母性に飢えている。
　一見フェミニストの様に見えても、実のところそれは、母を守る子供の心理に近いように私には思える。魔鈴さん、聖華姉さん、沙織さん･･･、美穂ちゃんでさえ母性の対象ではないかと思う。実際彼女らは、漫画に置いて恋愛対象として描かれることはなかった。いつでも星矢にとって護るべきものであり、崇拝の対象だ。
　唯一シャイナさんが、恋愛感情による積極的な攻撃や自己犠牲で、星矢に母性ではない女の強烈な愛情の形を見せていたけれど、彼はそれに応えることはしなかったしできなかった。永遠に少年で有り続けなければならないのが、彼のキャラクターとしての役割であり魅力でもあるのだ。
　原作で星矢にいきなり恋愛を語られたりしたら、読者の私はちょっと困ってしまっただろうけど、シャイナさんの愛に応えることができたなら、少年ではなく男性として新しい物語を見せてくれたのではないのかな。……それはもはや『聖闘士星矢』ではないけれど。

･･･とかなんとかいう、比較的まともな考えもしばらく前はしていたのだけれど、ホームページ作るにあたって、星矢のイラストを描いていて気が付いた。
　連載当時は、そりゃもうカッコいいヒーローとして見ていたのだけれど、今はなんかこう違うよーな。
　なんというか、ロリぷにキャラを愛でる様な気持ちというか･･･んー、頭をなでなでしてやりたいなぁ。これがショタごころってもんなんでしょうか。星矢はいつまでも変わらないけれど、私のほうがあかん風な成長をとげてしまったらしい。駄目じゃん。